COSIMAさんのUSリポート

2005年5月、アメリカのレディングとウィルケスバレエでコンサートをご覧になったCOSIMAさんのライブ・リポートです。




【旅行記タイトル】 3度目の海外音楽旅行
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スティング/ブロークン・ミュージック・ツアー& 第36回ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァル

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【プロローグ】なぜ音楽旅行を決断したか!?

4月29日(金) 夜のイベント/4組ジョイント・ライヴ (ミッド・シティ・ボーリング場
4月30日(土) ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァル 6日目
            (フェアグラウンド競馬場)
5月01日(日) ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァル 最終日
            (フェアグラウンド競馬場)
5月02日(月) レディングへの道のり
          スティング/ブロークン・ミュージック・ツアー

          (ペンシルベニア州 レディング市、ソブリン・バンク・シアター
5月03日(火) ウィルケスバレエへの道のり
          スティング/ブロークン・ミュージック・ツアー (オープニング・アクト:フィクション・プレイン)

          (ペンシルベニア州 ウィルケスバレエ市、ワチョヴィア・アリーナ

【エピローグ】スティングのライヴを見終えての所感/
【謝辞】


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【プロローグ】 なぜ音楽旅行を決断したか!?
 ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァルは毎年この時期にルイジアナ州ニュー・オーリンズ市で開催され今年で36回目を数える歴史のあるイベントです。正確には定期的に開催されるようになる第1回が開催された1970年より前に1度、1968年に1度あったようです。
 ニュー・オーリンズの伝統文化を、アメリカのポピュラー音楽の重要な要素である、ジャズ、ブルーズ、R&B、ファンク、ザイデコそしてケイジャンを生み出してきたこの土地の音楽だけに止まらず、 現地の食品、民芸品等の販売を通じて文化として共に伝えていこうという趣旨で今日まで続いています。
 一方、ペンシルバニア州のスティングの2公演は、2005年4月1日サンホセ(正確には3月31日のロキシーでのプレミア・ショーがあった)から、これまでのところの最新アルバムである「セイクレッド・ラヴ」を発売した2003年の暮れ以来今年の2月まで続いていた、前の「セイクレッド・ラヴ・ツアー」 に続く、全く新しいバンド編成によって開催されています。また、このツアーの正式なタイトルは、

  「BROKEN MUSIC TOUR with SPECIAL GUEST」

 ツアーが開催される数週間前までそのスペシャル・ゲストが一体誰であるかが明かされていませんでしたが、私が見た5月2日、3日は前妻との間の 息子のジョー君が結成したバンド、フィクション・プレインが初めて御父さんのグループのオープニング・アクトとして登場するということになりました。 ちなみにツアーが始まった4月当初は、ロサンゼルスの新人バンド、ファントム・プラネットがオープニングを務めていましたが、最終日の5月13日は 昨年英国注目の女性シンガーとして登場しグラミー賞の新人賞にもノミネートされたジョス・ストーンといったように幾度か入れ替わりながら続いていくようです。

 さて、今回のツアーが開催されることがアナウンスされたのは、私たちスティング・ファンが翌月にいよいよ「セイクレッド・ラヴ・ツアー」での彼の来日を 控え、次第に気持ちが高揚しつつあった2004年12月1日 4時42分に受信したスティング・オフィシャル・ファンクラブのニュース・レター

   "Sting Broken Music Tour - New Tour Dates With Stripped Down Show"

が最初でした。私がその朝このニュースを見た瞬間、喚起したのは、彼が 今のツアーを終えて間髪を入れず全く新しいツアーを始めるというトピックと共に、バンドを構成するメンバーを見たときです。
In April, Sting returns to North America for the Broken Music Tour - a new, stripped down show with a four-piece band; Sting on bass with longtime band mate, Dominic Miller on guitar joined by Shane Fontayne (Lone Justice, Bruce Springsteen) on guitar and Josh Freese (currently a member of A Perfect Circle) on drums.
そうです、ギターのシェーン・フォンテイン氏は日本のラジオ音楽番組やTBS系のニューズ報道番組 「CBSドキュメント」などでも活躍されている ピーター・バラカン 氏の弟さんミック・ バラカン氏その人のことで、私にニュー・オリンズの土地の音楽の素晴らしさを教えてくれたが他ならぬピーター・バラカン氏です。ちなみにニュー・オーリンズは、1995年2月25日〜3月4日(2月28日がマルディ・グラ最終日)まで現地を訪れて以来2度目の訪問ですが、今回は死ぬまでに果たしたいと思っていた3イベント

  ■マルディ・グラ (*1)
  ■ジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァル
  ■プロフェッサー・ロングヘアー(*2)の墓参り

(*1)毎年イースター前(2,3月頃)に開催されるリオのカーニヴァルと並ぶ世界最大級のカーニヴァルの一つ。様々なKREWE (団体みたいなもの) 毎に山車やパレードが出る。
  一番歴史と由緒があるとされているKREWEがREX。私の一番見たかったCREWは黒人KREWEの"ZULU"。
(*2)ニュー・オリンズ独特のピアノ演奏スタイルを確立したと言ってもいい重要な黒人ピアニスト。(1918〜1980)

の2つ目を実行に移したということになります。特にジャズ&ヘリテイジ・フェスティヴァルは、1993年にそのイベントの存在を知って以来、1994年から 毎年行きたいと思いつつ机上検討だけで11年間断念し続けてきたイベントで今回の思い入れも一入です。

 またスティングとニュー・オーリンズの関係も少なからずあります。
 ソロ活動の初期、重要な相棒で「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」のサックス・ソロの名演で御馴染みの ブランフォード・マルサリス も実はニュー・オーリンズの音楽名家(父はピアニスト、エリス・マルサリス、弟は1980年代暮れクラシックとジャズの両方の世界で最も絶賛されたトランペッター、ウィントン・マルサリス 他)に生まれた1人です。名曲  「バーボン・ストリートの月」 という曲のバーボン・ストリートがニュー・オーリンズ観光の中心地フレンチ・クォータ内にある通りの名前であることはあまりにも有名です。息子兄弟は大都市部で活躍していますが、父のエリスは今も地道で現地で活動をしています。
 
 さらに余談ながら、シェーンがスティングのバンドに参加する契機になったのはスティング自身とトランペットの クリス・ボッティ とこのニューオーリンズという土地で誘いを受けたということを今年の初めネット上で知るに至りました。実際にこの時期「セイクレッド・ラヴ・ツアー」には幾度も足を運び、また2004年初頭にドムズ・オーケストラ(Dom' OrchestraのDomはDominic MillerのDomです)というバンドで既に大勢での共演を果たしていたようです。
(詳細は コチラ(Shane Fontayne のPage内です) を御参照下さい。内容は個人的に興味深いものでした。)
 現在はバンドにブランフォード・マルサリスが不在&ブランフォードの最高の相棒でもあったキーボーディストの ケニー・カークランド も亡き後、ボッティの卓越した力量で「バーボン・ストリートの月」や「ロクサーヌ」を それまででも最高と言ってもいいほどのアレンジ(来日公演ではニュー・オーリンズの色合いを彼の演奏に感じました)で聴かせてくれた前回の「ブランド・ニュー・デイ・ツアー」での来日も個人的には非常に懐かしいです。 また その「ブランド・ニュー・デイ・ツアー」で来日した2000年の春、スティングはこのイベントの中日あたり5月1日に初めて登場することになっていました。私は当時3月頃にこの日程が発表された瞬間、

   「今年こそはこの絶好のチャンスに現地を訪れたい!」 

という強い思いに駆られましたが、当時、勤めていた会社の中の異動で本社勤務程無い時期で、GWの休暇が初めて営業型暦になったため自分から休暇申請を出さない限りゴールデンウィークを長い連休として休むことができない状態になり泣く泣く断念した残念な ことがあったのです。
 今回の「ブロークン・ミュージック・ツアー」は、場所がペンシルベニアと離れていますが、ジャズ・フェスが終わった翌日から2日間連続、しかもGW期間中に余分な休暇を取得せずに帰還可能な状態で訪問できる機会が再び戻ってきたので

 
  「今度こそはこのチャンスを絶対に逃すことはできない!」

というわけで決意に至ったわけです。
【第1章: 2度目のニュー・オーリンズに到着・夜のイベント】
 詳細は割愛します。
    この日、見たグループ リバース・ブラス・バンドイグアナズ、 (この日、一番見たかったサニー・ランドレスを見られずとても残念)
【第2章: ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジフェスティヴァル 6日目
 詳細は割愛します。
    この日、見たグループ: ダーティ・ダズン・ブラス・バンドアイク・ターナー&キングズ・オブ・リズムアレン・トゥーサン
    ウェイン・トウプス&ザイデケイジャンズ、 ウォルター・ウルフマン・ワシントン&ロード・マスターズ他
【第3章: ニュー・オーリンズ・ジャズ&ヘリテイジフェスティヴァル 7日目
 詳細は割愛します。
    この日、見たグループ: ボネラマ、エディ・ボーマイケル・フランティ&スピアヘッドトレイ・アナスタシオネヴィル・ブラザーズ  他
    (マイケル・フランティ&スピア・ヘッドは、ポリスの影響も多少受けていると思います。)
【第4章: レディングへの道のり】
 詳細は割愛します。
   ニューオリンズからのノースウェストの飛行機に乗り遅れ、メンフィス経由の予定が、ミネア経由になり現地入りが4時間も遅れたという私にとって大事件で した。
   さらに携帯電話まで壊れてしまいます。 (同じ公演を見た、ラファさんと、ルミエールさんには御会いしたかったですが残念ながら実現せず。)
【第5章:スティング/ブロークン・ミュージック・ツアーUS2005 (ペンシルベニア州レディング、ソヴリン・バンク・センター)】

 
会場のソブリン・バンク・センター市の中程にあるイベント会場で収容人員は1万人程度か、外は四角いですが屋内の構造は楕円形で横浜アリーナみたいな配置でステージが作られています。私が座ったのはステージに向かって左側のスタンドの中段で一番端の列、つまりスティングをドミニクが立っている側から真横に見落とすような位置です。小さなスピーカーのセットは置かれているもののメインのスピーカーは天井から 吊るされているので 側面からもよくステージ内への見通しができる構造です。ジョシュのドラムセットも中央よりやや左に置かれていて、唯一よく見えないのがスティングの右側に立っているシェーンの姿でした。 尚、演奏曲目は次の通りでした。

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01. Message In A Bottle (P2)
02. Demolition Man (P4)
03. Sprits In The Material World (P4)
04. Synchronicity II (P5)
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05. I Hung Up My Head (S5)
06. If I Ever Lose My Faith On You (20:52) (S4)
07. The End Of The Game (S6aus)
08. Driven To Tears (P3)
09. Heavy Cloud No Rain (S4)
10. Invisible Sun (P4)
11. Why Should I Cry For You (S3)
12. Fields Of Gold (S4)
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13. A Day In The Life (Beatles /Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band)
14. Soul Cage (S3)
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15. King Of Pain (P5)
16. When The World Is Running Down, You Make The Best What's Still Around
on "Voices In Side My Head" Chorus (P3)
17. Roxanne (P1)
〜 Encore 〜
18. Next To You (P1)
19. Every Breath You Take (P5)
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20. Lithium Sunset (S5)
 

オリジナル録音〜収録アルバム
(P1) Outlandos d'Amour (2)
(P2) Regatta De Blanc     (1) 
(P3) Zenyatta Mondatta   (2[+1])
(P4) Ghost In The Machine (3)
(P5) Synchronicity  (3)

(S3) Soul Cages  (2)
(S4) Ten Summoner's Tale  (3)
(S5) Mercury Falling  (2)
(S6aus)Brand New Day Australia Disc or Brand New Day MAXI Single (1)
 

 上に示すように曲目はポリス時代のものが11曲と多いめです。またソロ曲は、活動で最も弾け跳んでいた1、2作 と前回のテーマ『セイクレッド・ラヴ』からの曲以外からの8曲という格好になっているのが特徴です。限定版だったニューカッスルでのアコースティック・ライヴの中で取り上げたことがあ ったビートルズの『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』のカヴァーも秀逸でした。今回も声の調子は良いようです。
 ただ、この日の私の座席は全体を見渡すには今ひとつだったことと、会場到着が遅れたので心臓の鼓動をドクドクさせながら見ていましたので今ひとつ冷静に見切れていないかったと思います。ラファさん、ルミエールさんのレポートの方がより雰囲気が伝わると思います。ただ一つだけ書かせて戴 きますと最初の挨拶で、

 「これが初めてのレディングです。レディング・フェスティヴァルにも出たいけどまだ出たことがなくてごめんね。」

って言ってたような気がします。また、今回は息子のジョー君のバンド「フィクション・プレイン」がツアーにおては初めて御父さんのバンドのオープニングを飾るということもあって演奏とは 離れた部分、MCでそこいらあたりの話が聞けたりするかもしれないという点の2つ目の焦点でしたが実際に軽く触れていました。
【第6章: ウィルケスバレエへの道のり】
 詳細は割愛します。
 気持ちいい朝の大陸ドライヴの話が中心。駐車したワチョビアの駐車場にて、それまで気付かなかったワイパーに黄色い紙がひらひらと。
 どうやら、レディングの90分間緊急路駐の際にから 直々に頂いた手土産のようです。(苦笑 ^^;;
 (レディングのウィンダムホテルからウィルケスバレエのワチョビア・アリーナまでの風景に関しては多少ながら写真撮影があります。)
【第7章:スティング/ブロークン・ミュージック・ツアーUS2005(ペンシルベニア州ウィルケスバレエ市、ワチョヴィア・アリーナ)】

 
会場はウィルケスバレエ市を通るハイウェイの2つめの降り口を出て直ぐのところにあり、外から見るとやや円形のドーム型のように見えたが、 中は昨日のレディングと同じような楕円形のアリーナ。収容人員はホームページなどで調べればわかりますが7000〜8000人位のようです。

 セットリスト、MCとも昨日とほとんど変わっていませんが、曲順が多少入れ替わった部分があるかもしれません。記載はレディングのままですがフィラデルフィア空港に戻った時MDで確認していると多少違っていたような気がします。また楽器はシェーンと、ドミニクが幾度か持ち替えますが、基本は Electric Guitar(すいません私ブランドまではわかりません。ドミニクはいつものギターでしょう。)とシェーンがAcoustic Guitar, ドミニクがSemi-Acousticの持ち替えで記載外はElectric Guitarです。

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01. Message In A Bottle
02. Demolition Man
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03. Sprits In The Material World
04. Synchronicity II
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05. I Hung Up My Head (Shane:Acoustic)
06. If I Ever Lose My Faith On You (20:52) (Shane:Acoustic)
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07. The End Of The Game (Shane:Acoustic)
08. Driven To Tears
09. Heavy Cloud No Rain
10. Invisible Sun
11. Why Should I Cry For You
12. Fields Of Gold (Dominic:Semi-Acoustic/Shane:Acoustic)
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13. A Day In The Life (Dominic:Semi-Acoustic〜woke up:Electric G./Shane:Accoustic)
14. Soul Cage
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15. King Of Pain
16. When The World Is Running Down, You Make The Best What's Still Around
on "Voices In Side My Head" Chorus
17. Roxanne


〜Encore〜
18. Next To You
19. Every Breath You Take
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20. Lithium Sunset (Shane:Acoustic)


 あと、都市で "Hello! How do you feel Reading" が "Hello! How do you feel Wilkes-Barre"に変わるみたいなそういった違いだけだったと思います。
私の感想は腰を据えて見られたこちらウィルェスバレエでの公演をベースにしています。

 また昨晩見逃したフィクション・プレインも、この日、しっかり全部見ることができました。疲れていたので座ってじっくりと聴いていましたが、演奏や歌は上々ですが、御父さんの若い頃と決定的に違うのはソング・ライティングの高いセンスやアレンジの個性がまだまだといった感じです。
二世タレント が出くわす厳しい部分と思いますが、まだ始めたばかりだし、御父さんが認められていったように次第に力を蓄えていって業界で潰れないように頑張ってがんばって欲しいです 。
 個人的には中学時代、ミュージック・ライフで見た幼少の頃の姿が懐かしいです。(国立国会図書館に行けば蔵書で見られる筈です)。

さて、御待たせしました。いよいよ本番、当日の会場での演奏の様子です。(^^;;
(我が文章によって皆さんに少しでも当日の雰囲気が伝わればと思います。)
 開演前のBGMには前日同様U2の「ヴァーティゴ」やフィクション・プレインの曲など若々しい感じで威勢のいいタイプの曲が繰り返し使われていたが、20:30定刻にそれが鳴りやみ明るかった会場の電気が一旦消灯し、いよいよオープニングだ。
 会場に現れた4人で最初に音を出したのはドラムズのジョシュ・フリーズ。「タンッ、タンッ、タンッ、タンッ!」と"Driven To Tears”かなと思わせるような感じで始まったのは、
01. Message In A Bottle
で挨拶代わりの1曲目。特筆することはないが、それまでややガラガラしていた感のあった会場はいつのまにかすっかり隙間が少なくなって、ここでまずは一斉にみんな立つ。ただ立ちっぱなしじゃなくて、 ステージに登場したことを迎えるためのスタンディング・オヴェイジョンみたいなものである。前方の前方で見ている人達は終始立っているようだったが、 会場を埋め尽くした客の年令層は広く、若い男女カップルから、50歳を超えたようなおばさんが仕事帰りに一人で車を運転してきて会場で見ているようなそんな人、家族 全員で来ている人、自由の国の自由なライヴの楽しみ方を見る。
02. Demolition Man
 
間髪を入れず、ドミニクのモワモワとしたエフェクトのかかったギターで始まる次の瞬間、ジョシュがまさに破戒者のように強烈にドラムズを叩 き始める。
本物のスチュワート演奏を見たことがないので比較しようがないが、テレビで見たスチュワートのことを思い出しながらジョシュの動く姿を見とれていました。

 2曲終えて最初のMCが入る。挨拶のあと、『マイ・シャローナ』のような曲がどうのこうのと紹介するが、見ていたときは今ひとつ言いたいことの意図がよくわかりら なかった。後になってオフィシャル・ページのレビュー数点を見て思ったのは、
 要するに1979年デビューでいきなり7週連続1位で年間1位にもなったナックの 『マイ・シャローナ』は名曲ながら空前のワン・ヒット・ワンダー(一発屋)の代名詞となってしまった有名な曲である。スティング がステージで言いたかったのは、ポリスの人気の上昇時代自分が作る曲が常に聴く人に飽きられないように革新し続けなくてはいけないと言うプレッシャー を感じつつ活動を続けてきたといったことを言いたかったのではないだろうか?
 当時はファンを驚かせたスタジオ盤「ゴースト・イン・ザ・マシーン」では、斬新なアレンジだったと思う次の曲を、3枚目までのポリスが演りそうな軽いダブ風でスピーディに展開し、心地良い演奏で流れていく。
03. Sprits In The Material World
04. Synchronicity II
 これも前曲から間髪を入れず演奏を始める。背景の証明の色はと所謂シンクロニシティー色に次から次へと輝く。ギターの演奏で立つ位置もドミニクとシェーンが一時的にポジション・チェンジしたりステージ上でもちょっとした動きが出てくる。(19:44)

 オープニングから立て続けにポリス・ナンバーを4曲。しかも、彼らが人気と評価が一番の飛躍を向かえた『Synchronicity』時代の中心曲 までの演奏ある。これには様々な思いが錯綜する。今目の前で演奏しているのはポリスではないが、3つの楽器を4人だけというシンプルな構成でポリスの曲を演奏してい て、過去全てのソロ来日公演を最低2度(1回こっきりのお台場は除く)以上ずつは見てきた私もこんなシチエイションで過去にスティングのコンサートを見たことは一度もない。
 残念ながら私は本物のポリスのライヴは見たことは一度も無い人なので、それ故に今回のステージにポリスの虚像を思い浮かべずにはいられない状況になっ てきた。またこの4曲はライヴ全体の流れからいうと、スティングの人生の快進撃は間違いなくポリスの成功 と共にありここで頂点で上り詰めたということを表現していたのだと思う。
 今回のバンドはいい意味で温度に熱さと涼しさを持っている。ポリスもサウンドに熱さとクールさがあったと思うが、ソロ活動に入って初期のスティングはジャズ界の気鋭のミュージシャンを周囲に控え非常に熱い温度だった。それが同じポリスの曲を演奏していてもそこにポリスとは別のものを感じていたが、今回のバンドはこれまでのバンドの中でもポリスの温度に最も近いと思う。

 挨拶代わりにそんな栄光の時代の空気を聴衆に与えた後は、英国に戻り幼少の頃の自分の回想するMCが入る。「昔からアメリカの西部劇の テレビでカウボーイものを見るのが好きで、そんな思い出がこの曲を生み出すインスピレーションを与えてくれた。I love wagon tray. Bananza.!?  ローハイドや**やとかをね。」(きちんと聞き取れなかったがTV番組の名前とか場面のことだろう))と言いつつ、***のフレーズをちょいと弾いて見せる。(***はメロディはよく聞くもので知っているが思い出せない)また、「この曲はジョニー・キャッシュも取り上げてくれたんだ。」と誇らしそうに語って演奏し始めた。この曲からシェーンがギターをエレキから アコースティック・ギターに持ち替えて、ハーモニカの演奏も披露する。

(*3) ジョニー・キャッシュは2年前に他界しカントリー界の大物歌手。奥さんのジューン・カーター・キャッシュも後を追うように他界した)
     娘のロザンヌ・キャッシュも日本ではそこそこ人気があった。私も好きである。くどいかな!? すいま孫正義[笑])


05. I Hung Up My Head
06. If I Ever Lose My Faith On You
 
水色と桃色を基調にした証明が美しい。近年STING自身本当にこの曲のことが大好きなんだなってよく思う。

07. The End Of The Game
 
この曲はPennsylvaniaの美しい大地の光景が見渡せるこのWilles-Barreという場所に、自らの故郷Northumbria方面の大地のイメージを重ねながらバンドの演奏の中盤で一番キラめいていたように聞こえた。Australia盤の『Brand New Day』にはしっかり収録されているようだが、日本国内ではMAXI シングルの一部としてリリースされていた。しかし正直なところこれまで私はあんまりこの曲を聴いていなかったので最初どこに収録されているのかわからなかった。
 あと余談だがシェーンがブルース・スプリングティーンのツアーに参加していた90年代半ば彼自身もこのウィルケス=バレエ近辺に住んでいたことがあるらしく思い入れの場所のようである。シェーン(ミック)は御兄さんピーター・バラカン氏と同じロンドン育ちですが、スティングが相棒として英国人を 選んだのは何か同じ国出身の安心感とかも多少はあったかもしれない。

08. Driven To Tears
 
この曲を聴くまではジョシュのドラミングはどちらかというと力強くてタイトなタイプかと思いかけていたがスチュワートのようなハイハットやコン (ポク!?[笑] バンド演ってる方、呼び名を教えて下さい。)を多用した繊細な感じの演奏がここで初めて聴ける。彼は実はかなり器用なドラマーかもしれない。リアルタイム・リスナーとしては最初にリリースを心待ちにしたアルバムが『ゼニヤッタ・モンダッタ』で発売前から渋谷陽一のNHKFM 『サウンド・ストリート』等ラジオ番組でいち早く紹介されたこの曲は、自分にとってはポリスとしての象徴的な曲の一つで、それが今目前でスティングの生のVocalでアレンジも3つの楽器でほとんど原型のまま演奏されており、今日見た中でも一番未だ見ぬ在りし日のポリスの虚像をこのグループに重 ねて思い出せずには居られない瞬間となった。

09. Heavy Cloud No Rain (20:08)
 
特筆すべきことはないけど、途中でブレイクが入るシーンで大きく両手を広げて雨が降っているか確認するジェスチャーをするのが妙に記憶に残っている。

10. Invisible Sun
 
背景(言葉の喩えで伝えるのは難しいが何かアルミホイルをクシャクシャにして燃やした後のような素材感の表面に光を当てていて深みのある色合いを出し ている。この曲以降も基本的にこの背景を使って色を変えたり、使わなかったりして効果を変えていた。)と照明は一番綺麗かったかもしれない。これもポリス ・ファンとしては非常に重要な曲で、痒いところに手が届く選曲があるとすればこれはその最右翼。アムネスティのライヴのリユニオンではU2のボノが一緒にステージに立って歌うシーンがあったが、ポリスが単なる洗練されたダブ・バンド以上の存在から飛躍する部分を象徴的に見せてくれた曲の一つ。この日の 演奏を言葉で表現するには材料が手元になく残念ながら忘れてしまったが、ステージのと演奏が一体感があって印象的だったのは確かだ。

11. Why Should I Cry For You
 
特筆したことなし。

12. Fields Of Gold
 
前に曲が終わった瞬間素早くドミニクがギターをエレアコに持ち替えて(20:21) いつも通り最高に美しいアルペジオやソロを聞かせてくれる。個人的には ドミニクの演奏で一番好み。まあ歌では3人が綺麗にハモり時折微かにシェーンのハーモニカも聞こえる。シェーンはアコギを持ったまま。

 「アーティストには果たさないと行けないシガラミみたいなものがあって、特には自分では本当にやりたくないようなことでもやらなくてはならないこともある。 自分には借りのようなものはないけど、」って言って、自分の嘗て憧れたビートルズのこの曲を演奏する。正規盤では限定のライヴ盤でこの曲を耳にすること ができるが、特にそれほど彼の演奏に思い入れを持てたワケではなかったが、この日のこの曲の演奏はこれまた秀逸だったと思う。
 歌い出しの"I read the news today oh boy"の部分からStingのVocalと、Dominicのきらめくようなギターがユニゾンのように(だけど微妙に外してる)絡み ながら流れている。この曲は短いながらもやや組曲気味に展開が2度変わることで知られるが、Beatlesで言うとPaulが"Woke up, fell out of bed"と歌い 始めるこの曲の中間の部分で先程セミアコに持ち替えたドミミクが再びエレキ・ギターに持ち替えるのが見える。 (21:21)ポールが弾くベースのあの ずんずんずんずん、ずんずんずんずん、ってあのフレーズを心地良さそうに弾きながら、歌うスティング。ドミニクが休んでいる間シェーンが弾いている。
 最後までの盛り上がりも部分も多少シンセに頼っていると思うが4人で差ステージで再現するのはBeatles以外でも恐らく数えきれぬほど Coverされたこと があるこの曲の演奏の中でも間違いなく上位に位置するだろう。また、美しい日々と日常生活から次第に離れスターダムをのし上がって行くところを表現するために嘗て憧れたビートルズのこの曲の力を借りたのかもしれない。
13. A Day In The Life
14. Soul Cage
 
前の曲の頂点で豪快に終わる響きが消えない、そのうちに間髪をいれず演奏を始める。従来の比較的に明るい親しみ安いタイプの曲とは一線を画する 重厚な音の響きがスティングの人生に荒波が経っていたそんな時代を回想するような響きをかもし出しているパフォーマンスだ。曲単体ではこのステージでこの位置に置く構成は彼にとって重要な流れを作るのに不可欠だったと思う。実際にスターの地位を手に した彼は、スターだけが知る現実の世界を離れて別の様々な困難を知るようになる。

15. King Of Pain (21:29)
 
その後に『苦痛の王』。Dominicの手の動きはどう見てもカッティングで、リード をとっていたのはシェーン。この曲に限らずいつの間にか入れ替わってい たりドミニクが、大きい音で弾いていたリフで、ドミニクがソロに入ったときにドミニクが先に弾いていた音を全くそのままの音で受け継いでリフを弾くという 私が触れた3人で必然的に生じる音の隙間を埋める役割といったことが垣間見られる。昨日のレディングの角度からはこうした動きが見えずほとんど ドミニクが仕事をしてシェーンが何を演っているのかがわからなかったがこの日彼がいろいろ大切なパートをこなしているのが見えた。

「Willkes-Barreの皆さんに、歌を一つ教えてあげるよ!僕が歌ったあとに繰り返して続けて〜」と歌いだす。
『Voces Inside My Head"』
この曲は『ゼニヤッタ・モンダッタ』に収録されていて、2度目の来日公演を果たした1981年当時はOpeningでのメンバー登場のときにインストでよく使われていた。
バックの照明はステージを照らす電球はのままで上で輝くに輝くくLEDのサイドバーが左から右に→のように動きながら下に次第に降りてきて光り 続ける。何か時間が止まって奇妙な暗示にかけられているような気色良さが毎度この単純なメロディの繰り返しに感じられる。

 当初WEBでロキシーのセットリストを初めて見たときは。2曲を歌ってメドレーにするのかなと思ったが、1フレーズ目の歌詞だけを聴衆に歌わせておいて、その上で、 "When The World ...."を歌い始める。聴衆のコーラスが会場を包む中で、歌が乗って演奏はそれを次第にかき消すように加熱していく。  ドミニクがバンド・メンバーに加入して以降は、キーボード、ギターという流れがパターンだったが、まず、そのキーボードのソロ演奏が始まる位置で、 これまで大人しかったシェーンのエレキ・ギターが炸裂する。彼の動きも前後だけ、たまに左右という地味なものから、観客席の最前列に出て行って ギターのネックを聴衆に触れさせるような興奮のパフォーマンスも見られた。今度はいつもどおりドミニクにリードが戻りダブルリード・ギターのリレーでの 演奏の真骨頂を見せてくれる。スティングのベースも今日一番弾け飛んでいるような音を出している。やはり誰にメンバーが変わってもこの曲はスティング の中で最もエキサイティングな曲なのだ。
16. When The World Is Running Down, You Make The Best What's Still Around on "Voices In Side My Head" Chorus
17. Roxanne
(21:39)
 間髪を入れず、御決まりの背景のいライトアップの中ドミニクのミュート・ストロークが鳴り響く。途中は相変わらずのアドリブ。今回はSo Lonelyという 言葉が沢山聞こえたが、Sacread Love Tourのときと似た部分も多々あったかもしれない。またハバネラのように小節を回したりお遊びはいろいろ。 元来個人的には演奏の引き延ばしはダレるだけであまり好みじゃない私も前回のMasakiさんやU&MYさんの熱き書き込みでこの部分に注視をするよう になった。演奏後ステージの右に全員消える。でも悔しいのはどうしても、私にはWeather Reportの『Birdland』がこの中に聞き取れない点である。(xx;;
〜 Encore 〜
 
最初この日のライヴの始まりはレディングに比べて多少熱気が足りないように感じられたが、この Encore の段階では前日と変わらない歓声に包まれ、全員がステージに戻る。

 ライヴでこんな初期の曲を聴けるのはとても幸せだが、ジョシュのドラムはタイトに鳴り響き凄い観客席は熱狂の頂点の状態。4人の演奏に重ねて微かにシンセの音も重ねていたような、そういう意味では嘗てエアチェックしたライヴの音などでは聴いたことがないようなタイプで今回のライヴで初 めて聴いたアレンジと言っていいと思う。(確信は無し)
18. Next To You (21:40-)
19. Every Breath You Take (21:50-)
最後の節回しに、"Brand New Day"のメロディを入れる御遊びは武道館の土曜日でも記憶していたのと変わらず。でも今やSTINGの名刺代わりの曲。嫌がおうにも盛り上がる。当然会場は大合唱。

20. Lithium Sunset
 
散々に盛り上げた後は、ほのぼのとしたこの曲で張り詰めた雰囲気のガスを抜くみたいな感じ。ここでもシェーンはアコギとハーモニカで活躍。 アンコールで盛り上がりすぎる曲を演ると、ファンがスティングを家に帰してくれなくなるので、懸命な選択だ。でもアルバムでも終わりに配して いたこの曲。アルバムで初めて聴いたときも

 「何か人生いろいろとあったけど、俺はここで本当に全て吹っ切れて遣りたい事をやれるようになったよ!」

って雰囲気の曲だと感じていただけに何かそんな安らいだ雰囲気を漂わせてくれる。(22:00)

ここで、彼(=STING)の 「壊れた音楽(Broken Music)」 という名の自伝ショーは幕を閉じる。

【第8章:帰宅の途】
詳細は割愛します。
フィラデルフィア国際空港へ帰るターンパイク476号線では幾度となく睡魔に襲われます。目を覚ますために走行中のBGMを初期のポリス

  「Visions of the Night」、 「Landlord」、 「Deadend Job」、 「Regatta De Blanc」 「No Time This Time」

などをMP3プレイヤをカーカセット・アダプタでカーステレオに繋いで再生し御機嫌。それでもアレンタウンに辿りつこうかというあたりで、3度目の大きな睡魔に溜(たま)らぬ危険を感じついに ハザード点けて路肩で緊急停止、音楽をかけたまま意識を失いました。
 どの位熟睡したでしょうか、しばらくして本物のに叩き起こされました。その後元気に復活して無事帰国。 ちゃん、ちゃん!
【エピローグ】スティングのライヴを見終えての所感

 スティングのライヴそのものとしては90分と短めでしたが、オープニング・アクトの演奏60分と休憩時間30分もあったので十分に 長い時間でした。短い目の曲を沢山(20曲も)演奏して簡潔に切り上げてくれたのも私好みの構成でした。老体はあんまり長い時間 の公演には耐えられませんのでね。(とジャパングリッシュ・マン・イン・ペンシルベニア)

 当然初めて海外を訪れての公演という高揚感もあったとは思いますが、それを差し引いても初来日で覚えた興奮以来と言っても いい新鮮さを感じることができました。今回のステージに大いに共感を覚えましたし、是非北米だけじゃなくて世界中のファンの前で同じパフォーマンスを披露してもらいたいと思いました。ファンの気持ちが理解できる彼ならきっとやってくれると信じています。

 また様々なゲストをオープニング・アクトとして行く今回のツアー。ポリスがアメリカでの大成功を収める足がかりになった1981年 の『ゴースト・イン・ザ・マシーン』ツアーで、IRS (*4)のゴーゴーズREMALARMオインゴ・ボインゴ、後公演の時期こそ忘れましたが、1987年以降は世界最高のグループになったと言ってもいいU2ですら当時は先にアメリカで大成功したポリスのオープニング・アクトを務めていたことがあった のを思い出します。

 STINGは自らが成長する課程において、若手も同時に育成するみたいなまさにミュージシャンであると同時に、今も先生みたいな人に違いないと思ったりしたのは私の取って付けたような考え過ぎでしょうか?(そりゃ、考え過ぎでしょう な!COSIMAさん!) いや、まじめに今回のスペシャル・ゲスト達は自分の息子に限らず、将来を有望視される連中を頭に配しているのがわかります。自らは初心に帰り、 コンパクトなバンドで学園祭のときは学生対象には割り引いてみせたりという姿勢が前回までの数あるツアーと違うと思いましたよ。

 前回「セイクレッド・ラヴ・ツアー」での大所帯での演奏が続いたスティングが、(人数こそ4名ながら)ポリス以来とも言うべき僅か3つの楽器だけでの編成でどうやってポリス時代の作品、また特にソロになってからの分厚い作品 群を表現してくれるのかが焦点でしたが、やはり、そこは心配御無用でした。3人だけですと、ジョシュがスチュワートの代わり、15年の相棒で今や右腕以上の存在 ドミニク が アンディー の代わりといった単純な図式になって、シェーンの役割 が今一つ見えていなかったのですが彼がそこにいた必然性が今回のバンドの演奏の全体像を掴むキーワードになると思います。

 バンドの技術的な力量そのものの頂点は、やはり第1期("The Dream Of Blue Turtles", "Bring On The Night"時代)や第2期 ("Nothing Like The Sun"時代)に及ぶべきもないと思いますが、彼が今表現したいものを無駄なく綺麗に纏め上げられる素晴 らしい3人だと思いました。あとステージの照明セットはたぶんセイクレッド・ラヴで使っていた照明セットもそのままで側面オプションのLCDパネルを使わず機能を部分的にシンプルに使って、背景にも派手なビデオ映像を使う演出はありませんでした。

 今改めて、スティングはポリスで作って来た音楽を表現するという意味だけでは、必ずしも嘗てのメンバーの力を必要としなく なったのだと思います。何て書くと絶対そんなことはないと反論が来るのはわかります。私も他の誰かが変わって3人としての個性を完全に再現できるとは思いません。 、アンディ・サマーズが作ったフレーズや、スチュワート・コープランドが作っていた ドラミングのアレンジもきっと数え切れほどあるに違いないですが、寧ろポリスでは表現しきれない部分を表現するために集めた メンバーで自分の可能性を極限まで広げるための活動が彼のソロ活動の歴史ではなかっただろうかと演奏を聴きながら再度 思いを巡らせました。

 再結成のことを考えると寂しいですがスティングの歌を聴かせるために音楽を再現するためにだけではその必要性は小さいようです。ただポリス・ファンとしてはサウンドを作り上げたオリジネイタとしての動かぬ重要性と、リアルタイムの強い思い入れが アンディーとスチュワートにはあるだけに心情的に複雑ですが、ソロになっての大規模なツアーでは恐らく初めて3つの楽器で演ったというステージにそんなことを思いながら見ていました。

 ソロになってからのスティングがポリスの柵(しがらみ)から離れて、本当に演りたかった音楽要素は沢山合ったと思います。そんな中の一つ(ジャズ的な部分はソロ1枚目、2枚目&ライヴ盤で果たし、南部ソウル的な部分はメンフィス ・ホーンを入れた『マーキュリー・フォーリング」あたりで見られますが、それらとはまた違う3枚目以降前作まで少しずつ見られた)カントリ・フレイヴァな部分)を表現するためとポリス時代のライヴ演奏では「3人が故に必然的に生じていた音の隙間」を埋めるために抜擢された男だったと言ってもいいんじゃないかと、、、 地味ながら確実に重要な仕事をこなす名脇役、、、それがライヴを見ての私が見つけた答えです。(^^;;


(*4) ポリスのマネージャでもあったマイルス・コープランドが1980年代に設立した米国の独立系レーベル。会社組織として   現存するかどうか不明だが、現在はコープランド・グループとしてより幅広い音楽出版関係の業務を手掛けているようだ。

 【謝辞】
  
2年前の今頃初めてKEY CLUBを発見して以来、サイト管理者のShigeyoさんを初め、出入りされている様々な方々の海外まで追いかけていくという行為を目の当たりにして唖然とした(正直その熱心さに度肝を抜かれた)ものですが、今回、自分がそれと同様に海外公演を見に出かけて、レポートまで書くとは思いもよらないことでした。まずサイト管理者のShigeyoさんには幾度となく 4度繰り返した行き来(推敲は9度)への御付き合いと掲載をして戴いたことに感謝いたします。また最後まで私の駄文に付き合って戴いた方にも御礼を申し上げます。



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