ラファさんの レディング リポート

2005年5月、アメリカ・レディングでFiction Plane&Stingのコンサート をご覧になったラファさんのライブ・リポートです。

ルミエールさんから連絡が来たのはBroken Music tour、Reading公演のサポートが Fiction Plane(以下FP)に決定して暫くしてからのことでした。突如として心強い相棒を得た私達は物凄い勢いで計画を立て、初のSting&FP海外公演に挑むことになったのでありました。

2005年5月2日、マンハッタンから長距離バスで約3時間半の道のりを経て会場のあるReading(レディング・ペンシルバニア州)に到着。当日はあいにくの雨。開演まで2時間以上あったので、まずその晩宿泊する予定のホテルにチェックインすることに。バスターミナルからホテルまでは近いとわかっていたものの、当地は全くをもって不案内だったためタクシーで行くことに。がしかし、タクシーに乗ること数分でホテルに到着、$2.20也ー。あちゃちゃ、タクシーのおっちゃんごめん(汗)

ホテルで暫しくつろいだ後、いよいよ会場へ向かうことに。すっかり雨も上がったようだ。にしてもホテルの周りも会場に向かう途中の大通り(?)も人が誰も歩いてない!町自体は決して寂びれているわけでもないのだが、「なんだかすごいところに来ちゃったな〜」。会場が見えてくると、ようやく周辺に人だかりが見えて一安心。
会場前のデッカい電光掲示板などを撮影後会場の中へ入ることに。中では更に人でにぎわっていて、一体この人たちはどっから出てきたんだ?!会場と町の温度差凄過ぎ。ま、こんな田舎町でも(おっと失礼)Stingを心待ちにしてる人がこんなに沢山いるんだな〜と、改めて彼の凄さを実感。

開演までの時間、ツアーグッズの物色をすることに。・・・高い、高い!メンズ長Tが75どる〜!?ふと目線を下にやると小さなゴミみたいなピンバッジが2種類あるではありませんか。ここに来て何も買わないのは淋しいからケチな・・もとい、貧乏な私は一個1ドルのピンバッジを1つずつ記念として買ったのでありました。他にはFPのCDやStingのDVD、サイン入りBM本、Sacred Love Tourの売れ残り商品等などがありました。

会場は本来ホッケーの試合用らしく、武道館を楕円にさせた感じでしょうか・・・というより、横浜アリーナみたいな感じですね。会場内の雰囲気が年明けの武道館を彷彿とさせたので勝手にそう思ってしまったんですが。私達の席は武道館でいうアリーナの前から2ブロックの一番右端でした。全体がすり鉢状になっている為、入り口はまさしく武道館のそれと一緒で(横アリもそうでしたっけ?)階段を下りてアリーナ席に向かわなくてはならないのですが、チケット拝見のチェックがあって下まで降りていける階段が限られているとのこと。暫しウロウロしてやっとアリーナまで降りついて、係りのおじちゃんが席を案内してくれたとほぼ同時にFPのパフォーマンスが始まってしまいました。詳しいFPの模様はルミエールさんのレポートをご参照下され。

私のFPのパフォーマンスで一番印象に残ってるのはジョーの鶏横移動(ごめん)!真打へのオマージュでしょうか。(んなわけないね。)
FPは丁度30分ほどで終了。8時きっかり。ここで一度明るくなったところへちょうど、会場係員とお客さん2名がやってきて、私達のチケットを見ると係りの人が「君達の席はあっちだよ」と言って右端を指差した。案内された時なんか真ん中過ぎておかしいな、と思いつつ、とても見やすかったので大して気にもしなかったのですが、やはりあのおじちゃん間違ってたのか・・・。でも舞台アレンジの時でよかったー。周りを見回すとお客さんの年齢層は日本公演よりもやや高め。しかもおそろいの制服を着た会場の係員も皆、どうみても近所のおいちゃん、おばちゃんのボランティアみたいな感じの人ばっかりで、会場はまさしくアットホームな雰囲気。

8時半きっかり、ついにStingのパフォーマンスがスタート。曲が始まるなりいきなりアリーナはほぼ総立ち。年齢層高いし、欧米のコンサートは皆マイペースで立つ者も座ってる者もいると聞いていたので、この予想外の総立ち状態にほんのり困惑。なぜならアメリカの方々は縦もそうだが、横もデカイ。少しでも見えるようにと履いていったウエッジソールのサンダルもまるで意味をなさない。とにかくみんなものすごく喜んでいる様子。一曲目はMessage in a Bottle

本日のStingのいでたちはグレー(?黒っぽい)の細身のスーツに黒のピタッとしたTシャツ。出だしで一瞬例の腰フリダンスしてました。声の調子はなかなか良かったと思います。何より本人が楽しそうでした。客席に何度も歌わせる場面なんて日本じゃあんまりないしね。またみんなが元気に歌うのなんのって。
そしてびっくりしたのは、今回のライブがわずか3種類の楽器のみで演奏されていること(あ、Shaneのハモニカ入れたら4種類だ)暫くキッパーの打ち込み音楽になれてしまっているはずなのに、今回の4人編成にちっとも物足りなさを感じませんでした。
「I`m trying to get back to my roots」とステージ上で言ってましたが、彼のキャリアとパワーで、まさに「less is more」を見事に体現しておったのではないかと思います。(日本語変?)さすがSting様、殿、ダーリン!2曲目のDemolition Manが終わると、「レディングは生まれて初めて訪れた町だよ。」と、そりゃそーだよな、と思いつつ他にも何か言ってましたがよく聞き取れず。そしてメンバー紹介に続き、「何年も長いこと歌ってない曲を今日は歌います」「”My Sharona"みたいな感じの曲をね」となんだか周りが盛り上がっててようやく「これはジョークなのか?」と分かるくらい分かりにくい冗談を言ってましたが、未だに意味がよく分かりません。私だけしょうか?

ここでセットリストの紹介(以下はオフィシャルより転載)
Message In A Bottle
Demolition Man
Spirits In The Material World
Synchronicity II
I Hung My Head
If I Ever Lose My Faith In You
End Of The Game
Driven To Tears
Heavy Cloud No Rain
Invisible Sun
Why Should I Cry For You?
Fields Of Gold
A Day In The Life
Soul Cages/King Of Pain
Voices Inside My Head/When The World Is Running Down
Roxanne
Next To You
Every Breath You Take
Lithium Sunset

しかし現地のおじちゃん&おばちゃんパワーは凄い!私達の3列ほど前のおばちゃんは出だしから踊り狂っててたまに通路側に飛び出しては係りの人に列に押し戻されてました。案の定ライブも後半に入ったところそのおばちゃんはブッ倒れてどこかへ運ばれてました。 私達の隣の席の中年カップルもライブ中何度も席を立ってはトイレだかどかへ代わるがわる行ったり来たりで、そのたびに通路を空けて、はっきり言ってイマイチ集中できませんでした。挙句の果てにおばちゃんのほうがわけわかんないことを私に話しかけてきて(しかもそれはまさにシンクロUの最中ですよ!怒)「あたしゃ踊るわよっ」とか言って私達を押しのけ通路に出てひとしきり踊ると再び係員に列に押し戻されていました。迷惑極まりないです。
シンクロUが終わるとStingは暫し何かをしゃべってましたが、残念ながらあまり聞き取れませんでした。その内容はI hung my headの前フリだと思われますが、アメリカの好きなウエスタンもののTV番組がどーたらこーたらと・・・。I hung〜が始まるとやっと会場が一度落ち着きを取り戻し皆座り始めました。は〜これでやっと見えるよ〜。ここはやはりおじちゃんおばちゃん、物凄い盛り上がりを見せるのはポリス時代や初期ソロもののみで、I hung 〜やEnd of the Gameでは多少キョトンとしてました。

ドラムのJosh Freeseは残念ながらよく見えず・・ギターとハモニカのShaneはかなり変わった動きをしていました。右端の席の私達からは彼が一番良く見えました。そして、ドミニクは今日も左端で控えめに、時折前に出ては、前の列をじっと見つめては演奏していました。ドミニクのいでたちは黒のピタッとしたTシャツ(ステイングとお揃いか??)にグレーっぽいパンツ。足元までは見えず。

Heavy Cloud〜ではお決まりのように曲中の長い間で客をフライングさせ(わかりますよね?)なだれ込むようにInvisible Sunへ。ここでも大合唱。
でも一番凄かった大合唱はVoices Inside My Head〜の辺りでした。Sting様は「Beautiful」とつぶやき、暫し客にコーラスを任せておりました。私的に一番感激したのはやっぱりKing of Pain!初めてライブで聞く上に、予め確認していたセットリストには載っていなかのでビックリしたの嬉しかったのって、あまりの動揺であんまり覚えてないほどです。これだけでもここまで来てよかった〜よっっ!

Roxanneが終わり、一同舞台袖へ。アンコールに応えて再登場のStingはジャケットを脱いでTシャツ姿に。50を過ぎたStingが歌うNext To Youはなんだかとても素敵でした。Every Breath〜で再び、メンバー紹介。2回目のアンコールはLithium Sunsetでさらっと爽やかに締めくくり去って行きました。

初の海外コンサート終了後の帰り道は、疲れと興奮とホッとしたのとが混じって不思議な感じ。昼のホットドック以外何も食べていないことに気付き、帰り道営業している店を探してみるものの、10時を過ぎた町はどこもとっくに閉まっている様子。どっかのバーとかでひょっとしたらFPのメンバーとかとばったり出くわしたりして、なんていう淡い期待はさっさと消えましたとさ。最後に、NY〜レディング移動大作戦に協力してくれたMちゃんとお付き合い下さったルミエールさんに感謝です。


会場で配っていたスティング新聞